ミラノショーでKawasaki Z/Ninja BEV発表!~原付2種じゃなくたぶん軽二輪~

2022年11月9日

出典:https://www.khi.co.jp/pressrelease/detail/20221109_1.html

ミラノショー(EICMA 2022)で、カワサキの電動バイクが発表されるようです。

カワサキの電動バイクについては数年前に明らかにされて以降、順調に開発が進んでいるようです。
直近では、2022年の8耐にBEVとHEVが突然現れたことは、当ブログでも触れました。

EICMA 2022 でカワサキBEV発表

で、ほぼ市販状態というものがEICMAで発表されるようです。
日本語記事でもすでにウェビック、ITMedia、バイクブロス等で紹介されていますね。

そして、カワサキモータースからも公式リリースが出ています。

そして、公式動画はこちら。

個人的にハイブリッドや水素エンジンに興味はないので😅バッテリーEVに限定して記事内容をまとめると、

  • ネイキッドの「Z」とフルカウルの「Ninja」の2車種(Z250/Ninja250と似たスタイリング)
  • 着脱式バッテリーパック。重量約12kg。容量3.0kWh
  • EUのA1ライセンス対応
  • 近距離使用を想定
  • 2023年発売を目指す

…こんな感じでしょうか。

日本での車両区分は?

ちょっと気になったのは、ウェビックの記事中で見出しに

着脱式バッテリーで日常使いに対応した新感覚原2スポーツ

とあるなど、Z/Ninja BEVが原付2種で確定かのように書いていること。
これは、カワサキのリリースでも触れている「EUのA1ライセンス対応」を誤訳?してしまったのではないでしょうか。

EUの二輪免許は、wikipediaによると

  • A1:125cc以下かつ11kW以下
  • A2:11kW超~35kW以下
  • A:それ以上

となっています。

A1ライセンスの「125cc以下」の部分だけ見れば日本の原付2種と被りますが、EVに排気量はないので、出力の「11kW以下」が適用されるようです。出力が11kW以下でさえあれば、A1ライセンスで運転できる、と。

では日本ではどうか、というと、2つの法律(道路交通法、道路運送車両法)で免許区分と車両区分が入り乱れてわかりづらくなっているようです。
詳細は下記サイトに譲りますが、

  • 原付2種:モーター(定格)出力0.6kW~1.0kW以下
  • 軽二輪:モーター(定格)出力1.0kW超~20kW以下

となっており、仮にZ/Ninja BEVの出力が(定格)11kWだった場合、日本では軽二輪になります。

つまり、Z/Ninja BEVがEUのA1ライセンス対応であっても、モーターの(定格)出力がはっきりしないと日本において原付2種か軽二輪かは言えないはずなんですよね。

⚠️注意⚠️

その後、11/20 の ZEV-Tokyo Festival にてカワサキの担当者様にお話を伺う機会がありました。
Z/Ninja EV のカタログ上(定格出力)は 1kW、原付二種で確定のようです。

ウェビック様にお詫び申し上げます。

詳しくは以下の記事をご覧ください。

Z/Ninja BEV の出力は?

というわけで、Z/Ninja BEVの出力を書いてる記事がないかと探してみたのですが、こちらの記事に、

We are writing about an 11 kW (14.8 horsepower) motor that is energized by a 3.0 kWh battery.

との記載がありました。
ですがイマイチ根拠に乏しく、こちらも「A1ライセンス範囲内の最大出力にしてくるだろう」的な考えで「11kW」と記載したのでは、と思ってしまいます。

【2022.11.12 追記】
根拠となる記事はありました。こちらをご覧ください。

結局、Z/Ninja BEVが日本において軽二輪になるのか原付2種になるのか、詳細スペックが出ていない現時点で断定はできません。

とはいえ、17インチフルサイズの車格を与えておいて、わざわざ定格出力を1kWに抑えたモーターにするとも考えづらく、(最大)11kWかどうかはともかく、少なくとも(定格)1kW超、つまりは軽二輪になるんじゃないかなあ、と妄想しています…。

個人的な感想

  • 「近距離コミューターとしての活用を想定」(カワサキ)の「近距離」ってどのくらいなんだろう…
  • バッテリー着脱式なのは、劣化の際交換しやすくするためなのか、自室充電するためなのか…
  • 自室充電のための着脱式バッテリーだというのなら、出先充電できない可能性もあり、ツーリングは無理か…?
  • 左レバーがない。現在販売されている海外製軽二輪・17インチ原付2種EVはリアブレーキもハンドブレーキ(左レバー)なことが多いので、リアブレーキがフットブレーキなのは喜ばしい
  • チャデモ急速充電は無理でも、出先での200V通常充電は出来て欲しかったが、メーカーが「近距離コミューター」と言うからには、難しいか…

上で軽二輪規格に拘っているのは、軽二輪ならば高速道路に乗れることが理由の一つなんですよね。
ツーリングになると、課金してショートカットというシチュエーションが往々にしてあるので、高速道路に乗れるか否かというのはツーリング中の余裕にかかわる重要なファクターだと思います。
でも、速度を出すと正比例して電気を消費してしまうEVでは、高速道路に乗ったがゆえの電欠、もあり得る。
それを防ぐために、SAでこまめな急速充電をすればいいのですが、メーカーが「近距離」を謳うZ/Ninja BEVで急速充電ができる可能性は低い。

あれっ、じゃあ軽二輪規格に拘る必要なくない…?
…でも単純に、高出力のEVに乗ってみたいんです。それが二つ目の理由。

軽二輪のEVとしては、SUPER SOCO TC MAX に乗ったことがあるのですが、それでさえ最大出力5kWらしいので。
単純にその倍以上の11kWの出力を持つEVがどんなものか、乗ってみたい…。

11kWなんか全然高出力じゃない!
と、BMW C evolution や ZERO SR/F をお持ちの方からは言われそうですが…。

【追記】
まだ公表されていない出力について、妄想を逞しくしました。