Kawasaki Z EV (Ninja EV) のスペックについてわかったこと

2022年11月21日

ZEV-Tokyo Festival に行って、Kawasaki Z EV が実際に走っているところを見てきました。

このデモ走行の後には撮影会タイムがあって、マシンに触れはしないものの、ギリギリまで寄って写真撮影することが可能でした。
そして、メーカーさんの担当者さんがついており、いくつか質問に答えていただけましたので、Z/Ninja EV を心待ちにしている皆さんと共有したいと思います。

動画も作りましたので↑、よろしかったらご覧ください。

質問してわかったこと(性能について)

車格

原付二種、と担当者さんは断言された。

モーター出力

原付二種、ってことは出力1kW? と半泣き😢になるいおぶろぐ。
だが担当者さんは「カタログ上はね…」。
“定格出力" 1kW、"最大出力"は…???? ということらしい(後述)。

充電方法

バッテリーを車体から外しても、車体に搭載したままでも充電可能。
100V、200VもOK。
ただし、コンセントから充電器を介しての充電。当然急速充電もできない。
街中の200V充電スポットでの充電は無理か…?

バッテリー容量

2022年の水準だと、3kWhというバッテリー容量は少ないのでは? という不躾な質問に、担当者さんは苦笑いのような表情で「あくまで街乗り想定なので…」とのこと。

出力切替機能

右のスイッチボックスに「e boost」と書かれたスイッチを見つけたいおぶろぐ。

出力の変化は、「通常」と「ブースト」だけなのか。
それとも(例えば「エコ」「ノーマル」「スポーツ」のような)モード切替があった上で、さらにブーストを効かせられるのか。
という質問をしたところ、「モード切替はアリ」との答え。そして「さらにブースト」である、とも。
ただしどういうモードがあるかはわからず。

…とまあこの辺が「定格出力1kW、最大出力…???」ということなのだろう。

質問してわかったこと(車体について)

ダミータンク上の黒い丸は?

ダミータンクを開けるためのキー穴(を塞いでいるゴムキャップ)。

ダミータンク(カバー)の開く方向は?

ハンドル側が開いて、シート側に倒れる(シート側ヒンジ)、といおぶろぐは理解した。
だが、バッテリーもシート側へ傾いて搭載されており、シート側へ倒れるとバッテリー外すときに邪魔な気がする。
担当者さんはヒンジであるとは仰ってなかったので、ダミータンクカバーがごそっと外れるのかもしれない。シート側へ水平にスライドする、ってことかな…。

質問してもわからなかったこと(車体について)

航続距離

いおぶろぐ「100kmって走ります?」
担当者  「う~~~~ん…(苦笑)」
いおぶろぐ「さすがに50kmは走りますよね?」
担当者  「ま、まぁ、それは…(苦笑)」

…すいません、担当者さんを大いに困らせてしまいました。
多くの電動バイクの航続距離の表示も「70kgのライダーが45km/hで走行した場合」などの(だいぶ厳しい条件の)但し書きがありますから、あまり軽々しく言えない、ってことだったんでしょうね。

充電コネクタの位置

ダミータンクカバーを外した後、充電コネクタの位置がどこなのか。トップブリッジ側なのかシート側なのか。それともシート下など、ダミータンクとは異なる場所に存在するのか。
これについては、濁されてお答えをいただけませんでした。

車体を観察してわかったこと

これ以降は、担当者さんの回答でなく、いおぶろぐの感想となります。

メインキー、キルスイッチ

ガソリン車のように、メインキーをひねって電源をONにする仕組みのようです。

カギ穴にキーが刺さってます…よね?

また、右スイッチボックスには、ガソリン車でいうキルスイッチのようなものもありました。

私が試乗したことのある TROMOX mino や SUPER SOCO TC MAX は、ブレーカーをONにすれば、あとは車体に触れずに(いわゆる「キーレス」で)電源ONする仕組みでした。
私にはその方式はちょっとわかり辛かったので、ガソリン車と同じような手順で始動できる(のであろう)のは、ありがたいです。

車体を観察してもわからなかったこと

左スイッチボックスの謎のボタン

左のスイッチボックスに、謎のシーソーボタンがあるのはわかっていたのに、担当者さんに聞くのを失念していました…。

縦長の灰色のボタンで、「WALK」「MODE」と上下に印刷されています。
モード切替ボタン?
それとも、シーソーボタンに見えるけど、押し方で動きが変わるようなマルチファンクションボタンだったりするのか?
あ、もしかして「WALK」って押し歩きのことを言ってる? でも今まで試乗した電動バイクは普通に押し歩き出来たしな…。

回生充電システム

完全に担当者さんに聞くの忘れてた…。
とはいえ、現代の電動バイクではスペック表に書かれていなくても搭載されているような機能なので、搭載はされている…でしょう。
問題なのは、それを上手く利用して航続距離を伸ばせるかどうかです。そしてそのためにはメインディスプレイに回生具合がどう表示されるか、とかも重要ですよね、単に回生充電機能の有無だけでなく…。

冷却システム

バッテリーが2本収まるケースの外観はつるんとしています。熱を持つと言われているバッテリーを冷却するために、水冷システムのようなものは持っていないように見えます。

空冷だとしたら、フィンを彫った方が表面積が増えて冷えるはずですが、そうなっていません。
バッテリーケース(といっていいんでしょうか?)の素材が冷えやすいものなのでしょうか。
それとも、つるんとしたケースでも走行風で冷却できる発熱量から逆算して、バッテリーの最大容量を3.0kWhに決めたりしたのでしょうか。
はたまた、外から見えない場所(ダミータンクとフレームの隙間のシュラウドの奥、あるいはシート下)に、何らかの冷却機構が隠されているのでしょうか。

12V鉛バッテリー

もしかして、電装系用に、12V鉛バッテリーが搭載されていたりするのでしょうか?
(電動車なのに電装系ってのも変な話ですが)
シート下、何か「四角いもの」が収まりそうな形をしてるんですよね。

図示した底面、バッテリーが収まりそうな気がしません…?

そして写真を見返していたら、バッテリーボックスからの空気穴につながっているかのようなホースがさりげなく存在する…!

…とはいえ12Vバッテリーを別途搭載するメリットはあんまり感じられない。しいて言えば、(ユーザーが)USB充電アクセサリを後付けするのがラク、ってことぐらい?
室内灯、エアコン、ナビ(メインディスプレイ)など、アクセサリー類が山ほどついてる電動自動車ならそれらを動かすのに12Vバッテリーが搭載されてても納得なのですが…。
それとも、ウインカー、ヘッドライト、メインディスプレイ(メーター)等をガソリン車から「移植」するにあたって、12V系が独立していた方がメーカー的に都合が良かったんでしょうか。

それとも、シート下から伸びている(と思しき)空気抜きホース(と思われるもの)は、隠されてる冷却装置(か何か)が使っているのでしょうか?12Vバッテリーではなく…。

【訂正】
いおぶろぐが当初「ホース」に見えていたものは、おそらく配線保護のチューブであり、それが何の配線かというとサイドスタンドスイッチかと思われます。
12V鉛バッテリーを積んでいるかもしれませんが、ひとまず上記で図示したのは12Vバッテリーからの空気抜きホースではなさそう、ということに訂正いたします。

まとめ

Z/Ninja EV は軽二輪規格で高速道路に乗れると嬉しい、と思っていたいおぶろぐなので、原付二種規格なのは正直とっても残念です。
とはいえ、軽二輪規格である SUPER SOCO TC MAX でも高速道路に乗るのは勇気がいる(航続距離は100kmちょっと)ので、急速充電機能がないことはどうやら確定な Z/Ninja EV が仮に軽二輪規格だったとしても、高速道路は難しいでしょうね。
逆に原付二種であることで、任意保険は原付特約が使えたりすることで助かる人が多かったりするのでしょうか。

なんにせよ、試乗車が早くディーラーに来ないかなあ…。

最後に

以前の記事で「さすがに現時点で原付二種だと確定するような言い回しはどうなのよ」的なことを言ってしまいましたウェビックニュース様、申し訳ありませんでした…。

そして、Z EV/Ninja EV の出力について、さらに考察してみました。